アメリカ大暴動と友人の黒人大学生ライアン 前編 1980年代、テネシー州の大学に留学した。 高校生だが、アメリカの大学生が住んでる寮で暮らした。 寮の大学生は18歳から50歳ぐらいで、アメリカの大学の年齢層に驚いた。 高校生には刺激の強いものを沢山見せてくれたりした。 ショッピングモールに行くのに、車に乗せてもらうと、フロントミラーにネックレスなどが掛かっていて、女性の扱いに関する説明をしてくれた。 ライアン(仮名)となぜか親しくなった。 身長2メートル、体重80キロぐらいの細身の長身の黒人学生で、ラップ音楽の話、家族の話などをよくした。 食べるときは必ず「半分いる?」って聞いてきた。 共有の精神を持っているのかなと思った。 週末は大学から紹介される人の家に行くか、仲良くなった人の家にホームステイをすることもあった。 ライアンは、実家に招待してくれた。黒人家庭を訪れたことはなく、楽しみであった。 大学当局は、日本の高校生のホームステイ先として適切か調べた。 しかし、驚いたことにライアンとその兄は大学には在籍していなかった。 でも、「在籍していないのになぜ寮に住めるのかな」と不思議だった。 今もどうして寮に住めたのかわかっていない。 さらに、ショックだったのはライアンと兄は泥棒で大学に警察が来て、逮捕されたことであった。 自分には親切で、何も盗まれていないし、驚いた。 ライアンは何か盗もうとして近づいて来たのかもしれない。 しかし、自分と気が合ったので、話しているうちに「何かを盗む」ことを忘れてしまったのかもしれない。 真意はわからないが、最初から「盗む」を目的として近づいて来たのではないということを信じたい。